姓はボックス名はマロン・・・(4)奮戦10年

4.それから10年後

今の感想は? 飼って良かった?

いいえ、大変でした。

被害その1.マロンは布を食べるのです。見ていると寝ているときに近くにある布地をまるで夢見心地のように目をつぶって食べています。量的には多くないのですが、大きいのでは4センチぐらいの穴があいていることがあります。

食べられたもの(穴が開いたもの)・・・娘のブランドのコートのすそ・毛布数枚に穴・こたつ布団カバー数枚に穴、もしく端に食い取られ・妻と私のパジャマに穴数ヶ所・ズボンに穴 etc.etc.

被害その2.マロンは人並みに腎臓に病気を持っており尿が出なくなった。そこで動物病院へ連れて行って診てもらい、通院。手術は10万円以上かかるといわれ、それはとても出せないので何とか薬でお願い。その後何とか治ってきて安心したが、5年ほどたった今年の夏、再度尿が出なくなった様子でぐったりしてきた。

動物病院へ急行。今回は尿出し、注射その他の手当てを1時間かけてしていただき、えさもこの病気に適合したものを買い、そして今は何とか通常に戻った。この病気にかかった費用は2回分でざっと計算して(えさ代は除いて)、13万円ほどになった。保険がないのがつらい。

被害その3.非常に気が荒く、なでていても急に噛み付いてきたり引っかいたりするのである。かまれた回数は妻が最も多く足や手が腫れたこともある。私も数回引っかかれたりかまれた。最近では、なでていてもよく見ておいて、かみそうな雰囲気になるとさっと離れるようにしている。

被害その4、これは被害といっていいか迷うが、マロンは私に付きまとうのである。一応、私は自分の部屋らしきものを持っているが、マロンもこの部屋に住み着いている。もちろんどの部屋にも堂々と出入りしているが、この部屋にいる時間が一番長い。私がこの部屋にいるときは比較的におとなしいが、部屋を出てリビングや他の部屋に行くとついてきて、ニャーニャーとそばに来る。といって抱くとすぐに逃げ出すのである。私としてはうるさくてかなわないというのが本音。

妻は「お父さんを親と思っている」と少しうらやましそうに言う。なぜなら、実際にマロンの世話をよくしているのは妻なのだから。動物病院へ連れて行ったり、からだに良いえさを買ったり、猫の遊び道具を買ったり、猫の小屋を買ったり・・・。私といえば、買ってきたのはほとんどないのだ。妻としては割が合わないと思っているに違いない。

 

というような状況で、私や家族に負ってこのマロンを拾ってきたのが結果的に良かったのかどうか、いまだに疑問である。

正直に言うと、何度か捨ててこようかと思った。そのとき、妻に相談すると「なに言ってるの(いまさら)」と強い反撃を受けたことがあり、二度と口には出していない。

猫も寿命は、長いと20年近く生きているそうだが、あとまだまだ悩みながら付き合っていかなければならない。そのうち、私のほうが先にこの世を去るかもしれないが・・・・。

 

あ、またかじられてる!!!                         完